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2010.09.29

返信。

先週の話になってしまいますが、友人・高木登氏主宰の劇団も参加していた「視点 vol.1 Re:TRANS」(MU×ミナモザ×鵺的)に行ってまいりました。
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タイミングがうまく合って、この日はmixiつながりのcacaoさんとの初のご対面、更に会場では大学時代の友人と数年ぶりにばったり、などなど、高木氏の舞台では毎度恒例(笑)の光景が繰り広げられたりもして(旧友再会とか意外なご縁の発見とか、そういうのが多いんですよねー何故か)。


会場の渋谷・ギャラリーLE DECOは実は僕の元職場の超近所にありまして、ここだけの話会場に向かう足取りはかなり重かったのでありますが(笑)、まるで建設途中の工事現場のような内装と舞台美術のおかげで、すっとアタマを観劇モードに切り替えることができました。よかったよかった。


かつては年50本以上の芝居を貪るように観ていたわたしなのですが、このところすっかり足が遠のいてしまっていたせいもあってか、いやはや非常に濃密な演劇体験でありました。
鴻上尚史氏の戯曲「トランス」へのオマージュ的な「視点」で、かの作品に鏤められたモチーフをそれぞれの「視点」でピックアップして、いくつかの制約の下に書かれた作品たちを競作という形で鑑賞する、という機会自体がなかなかないということだけでも、一見の価値がありました。コンペティションであるのは勿論、交流試合であり、対バンであり、フェスティバルでもあり。


不条理なおかしみと恐怖がないまぜになっていたミナモザ、小気味よいテンポで闇と光を感じさせてくれたMUもさることながら、最も印象に残ったのはやはり高木氏の劇団・鵺的「クィアK」でありました。
実は僕は、彼にmixi上でカミングアウトをしたという劇的な(笑)経緯があり、その折に「セクシュアリティとは何ぞや」的な話をちらとしたこともあったので、遂に彼がセクシュアル・マイノリティをモチーフに脚本を書くと聞いて、どんな切り口で来るのだろうか、と期待を抱いていたのでね。どうやら無駄にプレッシャーを与えてしまっていたようですが(笑)。なんだかどうもすみません(笑)。


「非当事者」が「当事者」のことを描く、ということは、どんな場合でも不安やリスクが伴うものなのかもしれません。わかりやすい例で言えば、外国で作られた「日本を描いた映画」なんて、未だにフジヤマゲイシャの世界からなかなか逃れられないわけですもんね。
でも僕は今回、粗探しをするつもりで芝居を観ていたわけではないので、例えば「こんなのゲイの本当の姿じゃない」的な見方は一切しませんでした。僕はゲイの平均値でも代表者でもないし、定義できるほどゲイについて詳しく知っているわけではないので。僕は「これもまたひとつのかたち」として、ただそのまま観ることにしました。そして、シチュエイションとしてのリアリティをはるかに超えて(確かに、これはちょっとないかなー、という部分もあるにはあったので)、そこで生きる「人」のリアリティが迫ってきたということは、それだけ説得力のある芝居だったのではないでしょうか。なんて思うのです。
とにもかくにも、宮嶋美子さんが素晴らしかった。吸い込まれるあの眼力。圧倒、でした。


セクシュアリティへの葛藤は、アイデンティティへの葛藤です。
セクシュアリティの揺らぎは、アイデンティティの揺らぎです。
アイデンティティへの葛藤が生まれ、揺らいだとき、人は何を求めるのか。
セクシュアル・マイノリティを描いた作品は数多く観てきましたが、ある意味真逆の方向から切り取って見せてくれた「クィアK」に、個人的にはこれまでのどの作品よりも高木氏のパーソナリティを垣間みました。それが果たして演劇としてどうなのかはわかりませんが、今後がますます楽しみになったことだけは事実です。


最近、演劇でも映画でも音楽でも、過剰にわかりやすい答えを差し出し過ぎる作品が多いと思っていて。それが仮に正解だとしても、考える余裕とか選択の余地とかもっと客に委ねてくれませんかね、と。それを「信頼」って言うんじゃないでしょうかね、と。
わたしに宿題を与えてくれた3作品に感謝します。

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2010.09.21

ねこの森には年一で帰ってます。

すっかり個人的な9月の恒例行事と化しておりますが、今年も行ってまいりました、谷山浩子「猫森集会2010」Bプログラム。
以下プチネタバレありですが、昨日と同じセットリストで演る回はないので、そんなにお気になさらず読み流してくださいまし。ま、それ以前にこの日記を読んでいる方の中で「猫森集会」に行かれる方が、一体どれだけいらっしゃるのか知りませんが(笑)。


「みんなで選ぶ谷山浩子ベスト32」なんていう副題が付いていたもんで、32曲聴く気マンマンで足を運んだわたしでありましたが、考えてみたら32曲もやったら何時間かかるんだっつーのね。というわけで初日の昨日は17位まで、2日めの25日は16位~1位まで、と二分割のメニューでの構成となっておりました。そりゃそうか。ちぇっ。
でもそこはさすがマニアに好かれる谷山浩子、Twitterで投票を募ったせいもあるのか、一筋縄ではいかないランキングでして、1曲目(同票につき33位)からしていきなりのド定番曲でのスタート。フツーのミュージシャンだったらこのテの定番曲はベストテンだよなあ、てな曲の大半は昨日で出尽くした感すらあるセットリストでありました。
それにしても、こおゆう曲が選ばれてしまうところが谷山浩子たる所以か。


以前、オールリクエストの回で次から次へと神業を繰り広げてくれた、パーカッショニストの山口ともさんの神っぷりも健在。特に上記の「まもるくん」でのパフォーマンスは彼にしかできない芸当でしょう。ゆるゆるなのに興奮滾るライヴでありました。満腹満腹。あまりにもよかったので、ついつい明日のチケットも買ってしまった(笑)。
終演後は会場でばったりお目にかかったおともだちミュージシャンの藤井周くんと、閉店間際になるまで近くのベローチェでお茶を啜って帰ってまいりました。いろいろと積もる話がありましてね……へっへっへ。


因みに、Twitterで「猫森集会に行く」とつぶやいた直後に、フォロワーさんが数名減るという悲しい出来事がありました(笑)。みなさま、もし差し支えなかったら、また遊びに来てやってくださいね。。。

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2010.09.19

Remember 出逢ったこと。

自分のライヴとしてはほぼ一年ぶり、です。お知らせができることって、こんなにも嬉しいことだったのですね。


というわけで。10周年記念3ヶ月連続ライヴ・第1弾、いよいよ開催でございます!
実は去年もこっそりお声をかけて頂いたにもかかわらず参加が叶わなかった、藤本大祐くんプロデュースライヴ「remember」に遂に出演が決定しましたー。ハコもお初の秋葉原PAGODA! かつて某お笑い芸人のステージに引きずり上げられ、ステージ上でバナナ早食い競争をやらされた(!)あのハコで、やっと音楽を演奏できます!w


今回はおなじみサポートメンバーからけんけん氏がお休みになりまして、ヴォーカル+アコギ+パーカッション、という編成でお届けしたいと思います。約1年ぶりのライヴに向けて、ただいま絶賛リハビリ中!(主にわたしが)
いつもお世話になっている風太郎氏の写真展もあるよ!

★藤本大祐 presents 「remember vol.3」
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■DATE
2010/10/23(sat)open 17:45/start 18:15
■PLACE
秋葉原・PAGODA
■PRICE
¥1,800(+1drink)
■CAST
藤本大祐/山田尚史/百瀬あざみ/林祐詩/sola(順不同)
■同時開催:風太郎写真展「ふたり」
■協力:LIVING TOGETHER


そしてそして、先取り情報を垂れ流ししちゃうよ!
11/23(火)、ソラニワ vol.3@新宿Future Nature Valve開催!
12/26(日)、10周年記念ワンマンライヴ@阿佐ヶ谷Next Sunday開催!
この10年の感謝をこめて、年末まで駆け抜けてみようと思っております。よろしかったらみなさま、どうぞおつきあいのほど。

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2010.09.11

I believe you, too.

それまで聴いてきた僕の音楽の系譜からは微妙に外れているにもかかわらず、何故だかどうしても耳から離れない、聴かずにはいられない、前野健太のうたを聴きに行ってきました。
デビュー3周年記念公演@吉祥寺・武蔵野公会堂。

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「マン・ション」が聴こえてくる自動販売機前を通り抜け、このところいちばんお気に入りの「ダンス」がうたわれたドトールでひと休み、「そこでsad song!」の山梨中央銀行の隣に立つ、あのホールで待ち合わせ。ライヴにはひとりで行ったのだけれど、吉祥寺だからなのか、どのお客さんともこの場所で待ち合わせをして巡り会ったかのような気すら。


満員御礼のライヴは全くと言って良いほど気負いを感じさせずに進み、うた以外のどこを取っても前野健太な時間でした(なんだそれ)。
全員でくじを引き書かれたパートに交換してぐだぐだ(笑)演奏したのも、
リクエストをさんざん募っておきながら全然まともに演奏しなかったのも、
アンコールでうたわれたのが父親に対する想いのうただったのも、
ダブルアンコールで「100年後」をうたいだした瞬間のテンションも、
最後の最後に「断髪式」と言いつつほんのちょっとしか切らなかったのも、
サイン待ちでやっと僕の順番が来たまさにそのタイミングで巻きの指示が入り、ちょうど僕のところから握手が省略されてしまったのも(とほほー)。
吉祥寺で前野健太を聴く、という気負いを持ちすぎていたのは僕の方なのかも。お客さんもあったかかったなあ。みんなが前野さんの親みたいだった(笑)。


僕にとっての「いいライヴ」の定義は「自分もライヴしたくなるかどうか」で、今夜はまさしく最高のライヴでありました。僕のワンマンライヴも、こんな風にできたら嬉しいだろうな。未だに理由はわからないけれども、いいんだからしょうがない。目標は渋公(!)だそうだけれど、いつまでもこのぼろぼろの、吉祥寺の丸井の隣の武蔵野公会堂が似合う前野健太でいてほしいな、と。


「マエケン」とは前田健でも前田健太でも松平健(←それは「マツケン」)でもなく、僕にとっては一生「前野健太」のことを指すことが決まった9.11でした。

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2010.09.10

誰が悪いのかを言い当てて、どうすればいいかを書き立てて。

ウチの近くには僕が知る限り最低でも3人のホームレスが暮らしている。うちひとりは女性。まだそんなに歳をとっているとも思えない感じの。


どういう経緯で今の暮らしに至っているのか知る由もないけれど、実は街のあちらこちらに顔見知りがいるらしく、通りすがりに挨拶を交わしている場面を何度も目撃したりもしている。僕が思うよりももしかしたら、それなりに健気に暮らしているのかもしれない。
その人の定位置は、駅前の階段脇にある公衆電話ボックス。勿論24時間居座っているわけではないけれど(きっと彼女なりにルールを守っているのだろう、と僕には思える)、一日をあちらこちらで過ごした後、ここに戻ってくるのが決まりらしかった。確かに雨風しのげるし、このご時世公衆電話のニーズなんてたかが知れてるしね。それでなんとなく季節は何度か移ろっていたのだけれど。


今日、件の電話ボックスの扉に貼り紙があった。この場所を電話目的以外で使用することを禁じます、といった内容の、ごもっともな文章が四角四面のフォントで書かれていた。そりゃあね、褒められるよりは咎められることではあっただろうけど、あったかい「見て見ぬ振り」ってのもあるのかもしれないな、ってね、この街に引っ越してからずっと思い込んでいたんだよね。
とか言ってる僕は、じゃあ彼女に何か声をかけてあげていたのかい?
彼女が冬の寒さに凍えている夜、缶コーヒーでも渡してあげたのかい?
今更何をほざいているんだい? 僕よ。


今夜、彼女はどこを安らぎの場所として、眠りにつくのだろうか。ぬくぬくと生温かい部屋で、パソコンに向かい思いを巡らせるだけの僕のことを、世の中ではきっと偽善者と呼ぶのではないだろうか。

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2010.09.03

ソラニワを探して3回目。

整骨院に行っても爆睡しても、どーにもこーにも疲れが抜けきらないので、縋るように久しぶりに銭湯で湯船に浸かってきたらびっくりするほど回復。いやあ、お風呂に入るって大切だねえ。毎日シャワーだからねえ。。。
そんなわたしが最近欲しくて欲しくてたまらないのは、「王様の抱き枕」と遊佐未森のEPIC時代のシングルコレクション初回盤です。


さて、先日は次回「ソラニワ」の打ち合わせのために、そういえば今年初訪問(だと思う)の某ライヴハウスにお邪魔してきました。ヴィジュアル系っていうかコスプレ系っていうのか、とにかくなんだかおどろおどろしい面々(笑)のライヴの日だったようで、普段組合系のライヴでしか足を運んだことがない僕には新鮮な光景でした(笑)。
ここまで辿り着いてしまったので、やりますよ「ソラニワ vol.3」年内開催!
ついでに書いちゃうけど、ワンマンライヴも年末あたりにやっちゃうよ!
更に更に、もうひとつくらいおまけライヴも予定があったりなかったり!
これだけあれば、どれか1回くらいはチャンスありそうでしょお客さん(笑)。どれもこれも詳細はもう少しお待ちくださいませね。半強制的にお知らせします(笑)。


「ソラニワ」も今回で3回めとなりますが、嬉しいことに「出たい」と仰ってくださる方がそれなりにいらっしゃって、本当にありがたい限りです。
今回も、常連さんあり初出場(笑)ありソラさんあり(すんません)、という、過去2回に負けず劣らずの個性的なラインアップでお届けできそうです。あまりに他の方々が個性的で、ソラさん影薄いかも(笑)。その分MCで取り返すつもりで準備に励みます!


また物議を醸してしまいそうな気もしつつ書いてしまうと、「ソラニワ」はお客さんへの扉は完全に開放しているつもりなのですが、出演者側への扉はそれなりに重いイベントだという自負があるのですね。「LGBT当事者(僕)によるLGBTフレンドリーなライヴ」を目指したい以上、出演者もLGBT当事者、もしくはLGBTフレンドリーな非当事者であってほしい。
で、ふと考えたわけです。もしも僕がそういう主旨のイベントにお誘いを戴いたなら、僕は「LGBTフレンドリーな非当事者」の振りだけはしたくないな、と。それはなんだか、イベントに対しても自分に対しても卑怯なのではないかな、と。
だからと言って、「ソラニワ」出演者にカミングアウトを強いる(笑)とか、そういうことをやりたいわけでは勿論ないけれど、今年のパレードで中西圭三氏が「アライ」宣言してステージに上がったように、「ソラニワ」に出演することを出演者には堂々と宣言してもらいたいし、そういうイベントにいつか育ったらいいな、なんてね、おこがましいかもしれないけれど、本気でそう思っているのです。


なんだかそうゆうの面倒くさそう、という方には、無駄に敷居が高いイベントに見えるかもしれません。結局はライヴなんだから音楽がよければなんでもアリでしょ、と、片付けられてしまうような些末なことなのかもしれません。でも、「ソラニワ」は、大袈裟に言ってしまうならば、僕がやっと辿り着けそうな、僕の「居場所」なんです。そこがあなたにとっても居心地の悪くない場所であってくれたらいいのに、と、ささやかな望みを託しつつ、扉を開ける場所なんです。
お気軽に手ぶらで遊びに来てくださって勿論構いません。その思いのかけらだけでもお土産に持って帰ってもらえるように、僕は頑張っていきますね。


なんで今更こんな日記を書いてるんだ、と思われそうですが、僕が「ソラニワ」を始めようと思ったきっかけについて、振り返らせてくれたとても嬉しいメールをもらったから、なのですね。
とても真摯に「ソラニワ」の主旨について思いを巡らせてくれたその人は、今回の「ソラニワ」に初出演してくれます。どうぞ、ご期待ください。

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